マークはハッと我に返った。

目を開けてみると、白い天井と蛍光灯が見えた。

が、電気は消えていた。

 

「ここはどこだ?」

 

白い清潔なシーツがかけられていた。

右手に何か触れている。

首を動かして見てみると、あのレスポールだった。

 

「ここはどこだ?天国じゃないよな。」

 

 そうだ。

そう言えばフェスはどうしたんだろう?

オレはワイト島でギターを弾いていたはずだ。

 

 ガバッと起き上がるとそのはずみか、ギターが膝の上に乗ってきた。

それと同時にピピピ・・とどこかで小さく警報音が鳴った。

 

すぐに、ナースとドクターがやってきて言った。

「気が付きましたか?ミスター・ギター・ヒーロー。」

 

 病室の外にはすでに若い女の子たちが集まっていた。

口々に「マークに会わせて~!」と叫んでいる。

 

マークは膝の上のギターをひきながら歌う。

 

 Hey,Girls!

 お嬢さんたち、心配ご無用

 俺はもう大丈夫さ

 ナースもドクターもありがとう

 さあ、退院の手続きを

 

 服を着ようとしたマークははたと気づいた。

ギターがピタリと手にくっついていて離れないのだ。

もう片方の手で握ると・・なぁんだ。離れるじゃないか。

あれ、でも今度はこっちの手にくっついているぞ。

ほら、掌を開いていても落ちないぞ。

 

 試しに背中にまわしてみると、不思議なことにそこへピタリとくっついた。

「あはは。なんじゃこりゃ。」

両手が自由になったマークはまず、ズボンをはいた。

(靴はすでに履いていた)

さて、シャツは?

簡単さ。

お尻にくっつけておいて着るのさ。

 

 ドクターはこう言った。

「静電気でしょう。雷に撃たれたためのね。2~3日もすれば元通りですよ。」

 

 Hey,Girls!

 お嬢さんたち、心配ご無用

 俺はもう大丈夫さ

 ナースもドクターもありがとう

 さあ、退院の手続きを

 

マークはギター一本と女の子数人をひきつれて退院した。

                (つづく)



今回はお話のところを実験的に縦書きにしてみました。(ここからは横書き)
え?いつも通りだよ、という方は残念ながらオンデンとPCの環境が違うために縦書きが反映されないのです。
そういう方はごめんなさいね。
たぶんMacやファイヤーフォックスでは横書きのままだと思います。

前回のお話はここから


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