があわいこの気ままな生活

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カテゴリ:onden1970 > 創作「マークの不思議な旅」

(これまでのお話はカテゴリからどうぞ)


ジリリリリリリ・・・・!!

電話のベルの音でマークは我に返った。
が、頭が壊れそうに痛い。
まだ半分眠っている意識の中でここはどこだっけかと考えた。

いまは確かRSバンドの前座でツアー中だ。
夕べはたしかライブが終わった後、ホテルのバーで打ち上げをした・・
あ~、じゃここはホテルの部屋か・・

「マークゥ、マークッたらぁ~」

そうそう、RSバンドのファンだけど今夜の前座バンドもイカシてたわねと話している女の子たちに・・そこで会ったんだ
「マ~ク~、起きてよ。電話よ。マネージャーとか言う人から」

「えぇっ!!・・あっ!」

今度こそしっかりと目が覚めた。
相変わらず頭はガンガンするが、マークは飛び起きた。

すると顔の前に受話器がヌッと差し出された。
マークは受話器をとらずにそれを持っている人の顔を横目でおそるおそる見た。
赤毛でそばかすだらけの女の子がむっとした顔でマークをにらんでいた。

「君いつからここに?」
マークは受話器を手でしっかりと抑えつけて訊いた。
「いや~ねぇ。忘れちゃったの?夕べから一晩中ずっとここにいたじゃない」
女の子はさらにほっぺたを膨らませた。

「で、その~・・ナニはナニして・・なんとやら・・」
マークは口の中でもごもごしているだけでなかなかうまく言葉が出ない

「フン、何もなかったにきまってるじゃない!」
うわ~、すごい勢いで女の子の声が頭に響いた
「なんでベッドに入る時までギターを離さないのよ。」
あ、そうか。マークは自分からひと時も離れないギターのことをやっと思い出した。
いまもレスポールはマークのお腹にくっついて離れない。

「マーク…。いいかげんそのギターを離しなさいよ。」
そう言われてもこのギターはマークの意志では身体から離れない。
「私より一生そのギターを抱いているつもりなのね!」

女の子はそう言い捨てると自分のセーターや靴下を拾い集めてさっさと部屋を出て行ってしまった。
「あ、ねぇ・・君・・!」
その子を追いかけて行こうとすると入れ替わりにマネージャーのオーウェンが入ってきた。

「おや、マーク。生きていたか。ところであの娘は?」
「オーウェン、あの子は気にしなくてもイイよ。」
そう言ってマークはにっこり笑うとレスポールをジャラ―ンと鳴らした

想った人には想われず
思いがけずに想われる

どうせこの世は
ふってふられて
オシマイさ

だ・か・ら
(い・ま・は)
ロックに夢中~
ロックに夢中~
ロックに夢中~
・・・

(つづく)


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>02/28 拍手をありがとうございました
>02/29 拍手をありがとうございました

>05/07 拍手をありがとうございました


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「ようし、みんな出発の時間だ」
マークたちに声をかけてきたのは、ワイト島フェスの主宰者だったオーウェンだ

「ありゃ、あんたがなぜここに?」と不思議がるマークにオーウェンは
「君たちのマネージャーを仰せつかってね。君の入院中に。」とこともなげに応える。

「げっ、聞いてないぜ」
「メンバー3人のうち2人が賛成した。多数決さ。」
オーウェンが丸縁のサングラスを左手の中指で押し上げながら言った。

「行こうぜ、マーク。ツアーの始まりだ」
ユウキもジョウもいつの間にか旅支度を整えていた。
「はぁ・・(このレスポールはどうするんだ?まだ身体から離れないんだ)」

躊躇するマークに
「RSバンドの前座だ。文句はあるまい」とマネージャーは鼻をふくらませる。
「RSバンドってもしかしてこの前ハイドパークで乱闘した・・?」
「おいっ、それを言っちゃいかん。伝説のバンドなんだからな。」

「しかしなんでまたその伝説のバンドが俺たちを前座にしてくれたんだい?」
「メンバーのビルとチャーリーがお忍びでワイト島に来ていたんだ。で・・」

「ヒヤッホー!それで俺たちの演奏を聴いて感激してくれたんだな」
マークは腕から離れないレスポールをギュイーンと鳴らした

「いや、火を吹くマーシャルを見てアレが気に入ったと・・」
「・・そっちかい・・」

「スケジュールはとりあえず国内ツアーの2週間だ。いいな、RSバンドは取り巻きの女の子もやたら多いぞ。決してトラブルを起こすことのないように」
「A-ha!」
マークはこの世の中で一番便利な返事をして用意されたツアーバスに乗り込んだ。

するとすぐ目の前でフラッシュがたかれた。
腕を顔の前でXの字に交差させてその光をよけようとしたマークだったが、
「もう一枚いただきます」
という声にそちらを振り向くと、あの女性記者のリリーがにっこり笑って立っていた。
「あれ、君も一緒か?」
「そうよ、マーク。世界の果てまであなたたちを取材するの」
「それってニューロックマガジンに載るのかい?」
「編集長次第よ」
まっすぐに切りそろえられた前髪の奥でリリーの大きな瞳がキラリと光った。

(つづく)



いつも拍手をありがとうございます<(_ _)>

>「ニッポン放送 ポップス・ベストテン 1973年9月9日付け」に拍手をありがとうございました

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なるほどね。どうやら、ワイト島での演奏が評判となって、あっという間にツアーの話がまとまったらしい。

「ところで、マーク。」
記者たちからやっと解放されて、三人はホテル近くのパブで祝杯をあげていた。
そこでユウキが口を開いた。
「その見慣れないレスポールはお前の身体にくっついているように見えるんだけどさ・・。」
「げっ。ユウキ。お前こそその流暢なロンドン弁は!?」
「えへへ・・」
ユウキは日ごろは寡黙なベーシストだ。
それはあまり英語が得意じゃないからなのだが、なぜかエールを1~2杯飲んでほろ酔い状態になるとロンドンっ子になるのだ。
「いいんだ。そのうち離れるさ。」
「ふーん。」
ユウキはお尻にくっついているマークのギターをツンツンと突いてみた。
その時だ。

誰かか「シェゲナベェベナ~ッ!」と叫んだ。
「ツイスタンッ、シャウッ!」とみんなが続く。
こうなったらもう誰もがみんなエールジョッキを片手に叫んで踊るしかない。
まさに「ツイスト&シャウト」である。
と、いきなりマークはカウンターに上がり、シャンパンゴールドのレスポールをかき鳴らす。

TWIST AND SHOUT

Well shake it up baby now, twist and shout
Come on come on come on come on baby , now work it on out
Well work it on out , you know you look so good
You know you got me goin' now , just like you knew you would

Ahh Ahh Ahh Ahh Ahh
Well shake it up baby now, twist and shout
Come on come on come on come on baby , now work it on out
You know you twist it little girl , you know you twist so fine
Come on and twist a little closer now, and let me know that you're mine

Well shake it up baby now, twist and shout
ome on come on come on come on baby , now work it on out
ou know you twist it little girl , you know you twist so fine
Come on and twist a little closer now, and let me know that you're mine

Well shake it shake it shake it baby now
Well shake it shake it shake it baby now
Well shake it shake it shake it baby now

「イヤッホー!」
マークが足でエールサーバーのレバーを押すと店内はエールのシャワーだ。

「マーク!オマエは最高だ!」
ユウキは完全なロンドンっ子になってはしゃいでいた。

(つづく)



「マークの不思議な旅」は私が高校生の頃に構想していたものです。
・当時の考えをなるべくそのまま再現しようと思っています。
・アンデルセンの童話「赤い靴」をヒントにしています。
・また、ザ・フーの「トミー」に大きく影響されています。
「創作」ですから当然ノンフィクションですが、どこかで聞いたような固有名詞や出来事が出てくることがあります。でもそれは「シャレ」ですので突っ込みはご容赦ください。


前話まで
ロック・オペラ「マークの不思議な旅」その1~2
ロック・オペラ「マークの不思議な旅」その3
ロック・オペラ「マークの不思議な旅」その4
ロック・オペラ「マークの不思議な旅」その5
ロック・オペラ「マークの不思議な旅」その6

>LimeGreenさん
当時のアニメ製作スタッフの多くが戦争体験者でした。
もう二度と戦争はイヤだ、ダメだ・・という気持ちが強かったと思います

他にも拍手をありがとうございました

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島の桟橋には「マークのヨット」と大きくペイントされた手漕ぎボートが用意されていた。
マークは歌う。ギターを弾きながら。

Hey,Girls!
お嬢さんたち、見送りありがと
オレ様の船出だ ドラを鳴らせ
おっと、シャンパンの瓶は割らずに
オレに投げておくれよ
それじゃ、あばよ
Good bye,Good Luck,SAYONARA

マークはロンドンへ帰ってきた。
が、あの安ホテルへは戻りたくなかった。
このギターの持ち主がカンカンになっているだろう。
お金を要求されるかもしれない。でも悪いのはオレじゃない。
荷物を間違えたボーイが悪いのさ。
そうだ、あのボーイが悪いんだ。
オレは正々堂々ホテルへ戻るぞ。

ホテルのロビーではジョウとユウキが待っていた。
わぉ!なんてことだ。
たくさんの記者に囲まれている。

「マークだわ!」

マークがロビーに足を踏み入れると一斉にカメラのフラッシュがたかれた。
どこから来たのか、女の子たちが悲鳴を上げている。
すでにマークと同じ髪型のかつらをつけて何か叫んでいる。
えぇ?!ジョウとユウキも?
あ、オレの錯覚か。

マークはレスポールとともにジョウとユウキの間にはさまるように立った。

「今回のツアーについて聞かせてください。」
なんだって?オレはそんなこと聞いていないぜ。
・・と答えようとしたマークをジョウとユウキが制した。

「君が同行記者としてついて来てくれるならば、世界中、いや世界の果てまでも行くぜ!」
マークの隣りでジョウが大きな声で吠えるようにそう言った。
よく見ると若くてかわいい女の子だった。

「ホント?」
「あぁ、本当さ。な、マーク。」
ジョウはマークの背中をポンっと叩いてウィンクした。

「ところで君の名前は?」
ユウキが尋ねる。
「申しおくれました。私、リリーと言います。ニューロックマガジンのリリーです。」

「リリーか、いい名前だ。」
ジョウとユウキは同時にハモるように言った。

(つづく)

「お話」なのでもちろん全てが架空の世界です。
どこかで聞いたような名称が出てきたらニヤリとしてもかまいませんが、それ以上の追及はしても無駄です(笑)

azarashiumiさん
拍手をたくさんありがとうございます
感謝

 

 マークはハッと我に返った。

目を開けてみると、白い天井と蛍光灯が見えた。

が、電気は消えていた。

 

「ここはどこだ?」

 

白い清潔なシーツがかけられていた。

右手に何か触れている。

首を動かして見てみると、あのレスポールだった。

 

「ここはどこだ?天国じゃないよな。」

 

 そうだ。

そう言えばフェスはどうしたんだろう?

オレはワイト島でギターを弾いていたはずだ。

 

 ガバッと起き上がるとそのはずみか、ギターが膝の上に乗ってきた。

それと同時にピピピ・・とどこかで小さく警報音が鳴った。

 

すぐに、ナースとドクターがやってきて言った。

「気が付きましたか?ミスター・ギター・ヒーロー。」

 

 病室の外にはすでに若い女の子たちが集まっていた。

口々に「マークに会わせて~!」と叫んでいる。

 

マークは膝の上のギターをひきながら歌う。

 

 Hey,Girls!

 お嬢さんたち、心配ご無用

 俺はもう大丈夫さ

 ナースもドクターもありがとう

 さあ、退院の手続きを

 

 服を着ようとしたマークははたと気づいた。

ギターがピタリと手にくっついていて離れないのだ。

もう片方の手で握ると・・なぁんだ。離れるじゃないか。

あれ、でも今度はこっちの手にくっついているぞ。

ほら、掌を開いていても落ちないぞ。

 

 試しに背中にまわしてみると、不思議なことにそこへピタリとくっついた。

「あはは。なんじゃこりゃ。」

両手が自由になったマークはまず、ズボンをはいた。

(靴はすでに履いていた)

さて、シャツは?

簡単さ。

お尻にくっつけておいて着るのさ。

 

 ドクターはこう言った。

「静電気でしょう。雷に撃たれたためのね。2~3日もすれば元通りですよ。」

 

 Hey,Girls!

 お嬢さんたち、心配ご無用

 俺はもう大丈夫さ

 ナースもドクターもありがとう

 さあ、退院の手続きを

 

マークはギター一本と女の子数人をひきつれて退院した。

                (つづく)



今回はお話のところを実験的に縦書きにしてみました。(ここからは横書き)
え?いつも通りだよ、という方は残念ながらオンデンとPCの環境が違うために縦書きが反映されないのです。
そういう方はごめんなさいね。
たぶんMacやファイヤーフォックスでは横書きのままだと思います。

前回のお話はここから


拍手をいつもありがとうございます。
ライブドア拍手の復活に伴い、いままで使っていたweb拍手は終了しました。
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